実家の行き先
実家を空き家にしない
「売却」「賃貸」「自己使用」を決める
実家の片づけとして、これまでは、物の片づけが中心でした。引き継ぎは建物や土地に関
しても必要です。
つまり、亡くなった後、「親は住んでいた家をどうしてほしいと考えているのか」また「
子どもはどうしたいのか」ということです。
離れて暮らす子どもが、親の死を機に実家に戻るというのも、ひとつの選択肢でしょう。
しかし多くの場合、子どもはすでに離れた場所で自分の生活を営んでいます。そう考える
と、現実的には、「売却するか」「賃貸に出すか」の二択に迫られると言えるでしょう。
実家の引き継ぎは空き家問題につながる
「実家の建物をどうするのか」あるいは「親はどうしてほしいと思っているのか」ー
–これらは、案外見落とされがちですが、大切な引き継ぎです。
生前に、「売却してしまってよいのか、賃貸にして建物は残したいのか」といったことを
親と話しておきましょう。判断が楽になります。
子ども側の事情としては、子どもの子ども(孫)のことまで考え、ざっくばらんに自分た
ちの暮らしぶりと将来の予定を伝えるのがひとつの手でしょう。
「いま住んでいる戸建ての家は、ローンがまだまだ残っているの。
娘は遅かれ早かれ結婚して出ていくと思うし、夫もいまの会社に定年までお世話になるつ
もりだから、当分実家に帰って暮らすことは考えにくいのよ」
「この家は父さんが建てたもので、このあたりに地元のしがらみがあるわけでもない。だ
からお前たちの好きなように処分してくれてかまわないよ」こんなちょっとした会話がで
きていれば、仮に実家を解体して売却することになっても、罪悪感はずいぶん減るはずです。
「片づけよう、片づけよう」と前のめりになって「この家、死んだ後にはどうするつもり?
」と聞くのではなく、ふだんの会話の中で自然に話題にするだけでいいのです。
それだけでも、いざというときに「ああ、そういうことを話していたな」と思い出すことが
できれば、建物を片づける際の後押しとなってくれます。
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