遺族は死後1〜2年を経ても2割以上に抑うつ症状が
京都新聞 凡語より
オーケストラの甘美な旋律にのせ、亡き妻への思いを歌い上げるテノールが聴衆を幻想の世界に誘う。大津市のびわ湖ホールで先月上演されたコルンゴルト作曲のオペラ「死の都」。ベルギーの古都ブリュージュを舞台にした物語だ
妻を忘れられない男が、生き写しの女性と出会い、恋に溺れるが、やがて彼が求める妻ではないことに気付く。「この地上では、私たちのもとを離れた人と再び結ばれることはない」。現実に目覚めた男は、妻との思い出に満ちた街を離れる決意をする
喪失感の克服を描いたこの作品が日本で初めて本格的に舞台上演されたのは、2014年3月の同ホールだった
東日本大震災からようやく3年という時期、ラストシーンで舞台の中央にともされる燭台の炎が、大切な人を失った人々の心にともる再生の灯に重なり、感動を呼んだ
国立がん研究センター(東京)などの研究によると、遺族は死後1〜2年を経ても2割以上に抑うつ症状が、3割以上に強い悲嘆があるという。それを癒やすには十分に悲しみ、感情を何らかの形で表出させることが必要だ、と心のケアの専門医師らは指摘している
11年ぶりの今回の上演でも、ラストの演出は踏襲された。切なくも美しい音楽が、悲嘆を抱えた人の心の明かりになれと願う。
【参照 2025.4.10 京都新聞 凡語より】
当社は、遺族の方に寄り添った遺品整理を行うことにより少しでも心のケアのお手伝いが出来ればと考えております。
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